再就職手当とは何だ?をトコトンやさしく解説!

ハローワーク

無職の期間を満喫し、もらえるお金を全て受け取ってから本格的に求職活動を始めようと考えていませんか?実はそれ、損しているかもしれませんよ。
今回は早く再就職できた時に受け取れるお金、再就職手当についてご説明します。

早期再就職のお祝い

再就職手当金とは、早めに転職先が決まった時に受け取れるお金のことです。
一般的に、無職の期間が長いほど再就職は難しくなってくるものです。長い今後の人生を考えた時に早めに再就職した方がよいのは明白ですよね。
早めに転職して安定した職を得てもらいたい。国のそんな思いがつまった手当です。

受け取れる人の条件

かいつまんで説明すると、

  • 早めに転職した人が対象
  • 以前と関係のある会社は手当が出ない
  • 1年以上は働いて
  • 退職する前から決まっていた場合も手当は出ない

ということです。
まず、失業期間が長ければ、それだけ長く多く失業保険を受けとれますよね。そのため、失業保険をたくさん受給し、転職するタイミングが遅かった人には手当が出ません。
次に、以前の就業先と関係のある会社へ転職した場合、退職前からすでに内定が決まっていた可能性が高いと判断され、該当者となりません。
国は国民の皆様の長期的な就業を望んでいます。ですから短期のアルバイトや手伝いは対象者と認められません。正社員でも派遣でもいいので、1年以上働くことが前提の場合のみ該当者となれます。

受け取れない・返還となるケース

申請したあとすぐに退職した場合

転職先が決まって「よし、これから頑張るぞ!」と奮起したものの、社風や人間関係が合わずにすぐ辞めてしてしまうことも珍しくはありませんよね。この場合は残念ですが手当は支給されません。申請してすぐに振り込まれるわけではないからです。入社してから3ヶ月あとに在籍していないと受けとれませんので、ご注意ください。
さらに1年以内に自己都合で退職すると、受け取った金額を失業保険から差し引かれます。そのため転職先が決まったら、できるだけ1年以上は在籍しておきたいものです。

再就職先が以前の会社と関係している場合

前職の会社の子会社や関連会社に就職した場合です。知らずに入社してしまったとしても受けとることはできません。
手当を申請する際に不正受給を防ぐため書類を提出します。その書類を元にしっかりと調査されるので、ごまかしは通用しません。

失業保険の支給日数が1/3を割っている場合

たとえば受給期間が90日間であるなら、1/3にあたる30日以上の残日数が必要です。このケースですと60日間ぶん受け取ってから申請したいですよね。しかしそれほどうまくはいきませんでしょうから、残日数が1/3を下回らないようにだけ注意して入社日を決定してください。
これは早めに転職してもらうための制限です。無職の期間が長ければ、それだけ再就職は難しくなっていきますよね。ひとりひとりの早期の就職を促すために、早い段階で就職した人だけが受け取れる仕組みにされています。

短期アルバイトで採用された場合

1年以上に渡って働く予定がないと支給されません。ですから数日間だけ働くような短期アルバイトに採用されたとしても、該当者にならないのです。短期アルバイトで働いた日を申請すれば、引き続き失業保険を受けとれます。根気よく転職活動を続けてくださいね。
なお1年を超える長期の派遣社員はOKです。

実際にもらえなかったケース

Aさんは人材紹介会社からの紹介で内定をゲットし、すぐに働き始めることになりました。
再就職手当を申請し「これで安定した収入と臨時収入ゲットだぜ〜」とはしゃいでいました。しかしその会社の業務は考えていた以上に過酷で、Aさんは1週間で音を上げてしまいました。退職届を提出し、またも無職に…
「まあ手当が支給されるからもう少しなんとかなるか」
しかたなくハローワーを再び訪れましたが「1週間で退職されたのなら支給されませんよ」と言われてしまいました…
頭が真っ白になったAさんはなんとか受け取れないか頼みましたが、「決まってますので」の一点張り。諦めざるを得ませんでした。

しかし残日数が残っている状態で就職→すぐに退職した場合、失業保険が再び受け取れます。
Aさんはすぐに転職先を探し、結果として以前よりも高待遇の会社に就職できました。

実際にどれくらいもらえる?

支給額は、

基本手当日額×失業保険の支給残日数×支給率

で計算されます。

支給率は失業保険の残日数により2段階に分けられています。

  • 残日数2/3以上→支給率70%
  • 残日数1/3以上2/3未満→支給率60%

自分の残日数を数えて、再就職手当の金額を計算しましょう。

例1.給付制限中に内定が決まった場合

退職して1週間以内に内定が出た場合を考えてみましょう。

基本手当日額が6,000円で、所定給付日数120日だったと仮定すると、支給率は70%。

6,000円×120日×70%=504,000円

50万円を超えるお金が一括で振り込まれます。

例2.ギリギリで再就職できた場合

基本手当日額が6,000円で、所定給付日数90日、残日数が35日だった場合も計算してみましょう。
残日数は1/3以上2/3未満なので支給率は60%。

6,000円×35日×60%=126,000円

126,000円が受け取れる金額です。

手続きの流れ

申請期限は就職の翌日から1ヶ月以内と定められています。
申請期限を超えてしまうと受けとれなくなります。少なくとも2回ハローワークに行かなくてはいけないので、内定が出たらすぐに手続きを始めましょう。
とはいえ、現在は、転職した日の翌日から数えて2年までは申請OK。もし後からこと手当の存在を知ったのなら諦めずに申請しましょう。

  1. 再就職先に記入してもらった採用証明書を提出
  2. 最後の失業認定を受ける(支給金額確定)
  3. 申請書をもらう
  4. 再就職先に記入してもらう
  5. 4をハローワークに提出
  6. 3ヶ月後に振り込まれる

何度か会社とハローワークを往復しなければなりませんので、書類の提出前に不備がないかしっかりと確認しておきましょう。
書類は公式サイトからダウンロード可能です。パソコンをお持ちの方はぜひ活用してください。

給与が安い…そんなときは就業促進定着手当

就業促進定着手当とは、前の会社より給与が少なくなった場合にもらえる給付金のことです。

  • 再就職手当を受け取っている
  • 同じ職場で半年以上働いている
  • 以前の会社よりも給与が少ない

の3つの条件を満たしていれば誰でも申請できます。しかし条件がかなり限定的なためあまり普及しておらず、知らない人も多い手当です。
もし半年後も同じ会社で働いていて、「給与が前より安いな」と感じるようなら、以前の給与額をチェックして、申請に行きましょう。

就業促進定着手当のもらえる額

就業促進定着手当でもらえる金額は、

賃金日額の差額×支払い基礎日数

で計算できます。

ただし、就業促進定着手当の金額には上限があるため、この計算式で算出した額がそのまま受け取れるとは限りません。あくまでも目安とお考えください。

就業促進定着手当の上限は日額6,195円。この金額以上にはなりません。

パートに転職した場合は要注意

以前は正社員で働いていた人が、パートやアルバイトなど日給制・時給制に変わった場合、就業促進定着手当が受け取れないことがあります。
給料の総額は減ったとしても、以前と比べて働いた日数が少ないため、賃金日額増えていることがあるからです。
子どもができて正社員からパートになった人は、もらえない可能性があることを知っておきましょう。

就業促進定着手当がもらえたケース

Bさんは未経験の業種にチャレンジしたくて思い切って退職し、スキルを身につけて転職することにしました。幸いすぐに就職できたので再就職手当をもらえました。仕事自体は楽しくて半年以上在籍しましたが、未経験で飛び込んだので給与は以前の会社よりも安く、昇給もありませんでした。
Bさんは半年間の給与が以前の会社の給与より低いことを確認し、ハローワークで就業促進定着手当を申請しました。約1ヶ月後、指定した口座にお金が振り込まれ、Bさんは給与が安い時期を乗り越えることができました。

就業促進定着手当がもらえなかったケース

Cさんは結婚して退職し、家庭を優先するためにパートで働くことにしました。
以前は正社員で働いていましたが、パートになってから月にもらえる給与は一桁下がってしまいました。これは就業促進定着手当がもらえるのでは?と考え、申請しに行きましたが、結果は却下。理由は「日給が変わっていなかったから」とのこと。月にもらえる給与が下がっても、日給が同じなら就業促進定着手当は受け取れないのです。

まとめ

失業中に人生の休暇を楽しむのも良いですが、早めに転職してメリハリのある生活に戻ることも選択の一つではないでしょうか?
すぐに再就職すると、精神的にも経済的にも安定しながら臨時収入を受け取れますよ。

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