もう迷わない失業保険のもらいかた!トコトンやさしく解説!

ハローワーク

退職後の生活を保障してくれる失業保険の受け取り方については、退職前に知っておきたいものですよね。

手続きすることはなんとなく知っているけれど、他のことはよく分からない……必要な書類は?すぐに受け取れる?など、疑問が湧いてきますよね。

今回は人生ではじめて失業した方が迷わず手続きできるように、流れを詳しくご紹介します。

失業保険をもらうための条件を確認

失業している

働く意思や能力があるのに、就職できない状態です。

たとえば退職後少しゆっくりしたいと遊ぶ予定の場合は、就職する意思がないので該当しません。

また、怪我や病気ですぐには働けない状態のときも該当者になりません。この場合は受給期間延長の申請を行いましょう。働ける状態になってから失業保険の申請をしましょう。

1年以上のあいだ雇用保険に加入していた

自己都合退職の場合は1年、会社都合の場合は半年以上、雇用保険料を支払っていた実績が条件です。

会社に勤めていた時に給与から天引きされているはずですので確認してください。2年間に12ヶ月以上加入していればOKです。

転職回数が多かったりアルバイト期間が長かったりして、2年間のうち12ヶ月も雇用保険を支払っていなかった場合は、残念ながら該当者とはなりません。

よくあるのが「支払っているはず」と思い込んで、いざ申請してみたら「雇用保険料を支払っていないようです」と却下されることです。パートや短時間勤務の人は給与明細を特にチェックしておきましょう。

必要書類をそろえる

次は必要書類を揃えましょう。

  • マイナンバーカード
  • 離職票(離職票1と離職票2の両方)
  • 証明写真2枚(縦3cm・横2.5cm、3ヶ月以内に撮影したもの)
  • 本人名義の普通預金通帳
  • 印鑑

マイナンバーカードを持っていない場合は、下記の1と2の両方が必要です。

  1. 通知カードまたは住民票記載事項証明書
  2. 免許証やパスポートのような顔写真付きの身元確認書類など

離職票の1と2は、退職した約2週間後に会社から送付されてきます。

書類を持参して手続きを行う

離職票が送付されてきたら、必要書類を揃えて手続きを行いましょう。なお失業保険を受け取れる有効期限は、退職してから1年間です。忘れないうちに早めに手続きしてください。

ハローワークに到着したら受付で要件を申し出てください。該当の窓口や書類の場所を教えてくれます。

書類を提出する前に求職の申し込みを行います。申込書に記入して今後の就職活動の相談を行なってください。

そのあと、窓口で必要書類を提出します。

窓口ではあなたが失業保険を受け取れる該当者かどうかを判断されます。退職理由についても聞かれますので、言える範囲で正直に伝えましょう。

この時「とうぶん遊ぶつもりで〜」なんて口にしたが最後、失業保険は受けとれなくなりますのでご注意ください。

「できるだけ早く転職したいと思っている。職種は○○で、△駅の近くで、希望年収は□□万円で〜」と、具体的な希望職種と転職する意思があることをしっかりと伝えましょう。
問題がなければ受給資格の決定がなされます。

これで晴れて失業保険を受け取る資格を手に入れられました。

雇用保険受給者説明会

受給資格の決定日の7日後に、説明会に参加します。

説明会では、雇用保険のしくみや受給の流れについて解説されますので、よく聞いておきましょう。
終了後、2つの書類が渡され、第1回目の失業認定日が伝えられます。

書類も失業認定日もとても大事なものですので、必ず説明会に参加して忘れずに入手しておきましょう。

ちなみに、受給資格の決定日より7日間に再就職が決まった場合、該当者とみなされません。

求職活動を行う

失業認定日までに一定回数の求職活動を行います。回数が少ないと失業保険は受け取れませんので必ず行なってください。

なお自己都合退職の場合、初回の活動は雇用保険受給者説明会への参加を含めて3回が必要です。2回目以降は次の認定日までに2回以上行なってください。

オススメは窓口での相談です。セミナー情報や検索の仕方、履歴書と職務経歴書の書き方など様々な情報を教えてくれます。すぐに求職活動にできますので、積極的に利用しましょう。

もし活動を行なっていないのに「活動しました」と報告すると、最悪の場合は不正受給とみなされます。

不正受給と判断されると失業保険を受けとれなくなるどころか、それまで受け取っていたお金がすべて返金になります。

ウソをついて失業保険を没収されるより、月2回か3回求職活動に時間をさく方が建設的ですし健全です。

求職活動になるもの

  • 求人への応募
  • 各種セミナー参加
  • 電話で応募したが断られた
  • 窓口での相談
  • 転職フェアの参加
  • 職業訓練の説明会への参加
  • 資格試験の受験

実際に転職につながる行動が求められます。

セミナーは定期的に行われており、意外と役に立つ情報を得られますよ。

一部をご紹介すると、労働法セミナーやシニアセミナー、介護職セミナー、面接対策セミナーなど役立つ情報を聞くだけで活動にカウントしてもらえますので、時間のある方は一度参加を検討してみてくださいね。

求職活動にならないもの

  • インターネットで求人情報を閲覧
  • 求人検索のみ
  • 友人知人に仕事の紹介を依頼
  • 会社への問合せ

問合せや依頼だけでは求職活動とみなされません。

失業認定日に手続きを行う

失業認定日に申告書を記入します。

これまでに行なった求職活動の実績などを書いてください。

窓口で提出後、簡単な面談を行うこともあります。

指定の時間に到着しても、同じ日に認定を受ける人が多ければ少し待たなければいけません。

その時間に窓口で相談したり、スマホから求人に応募したりして、次の求職活動の実績を作っておきましょう。

指定の銀行口座に入金される

手続きした認定日から5営業日以内に、指定した金融機関へ振り込まれます。

ただし自己都合退職した場合には、3ヶ月の給付制限が課されるため3ヶ月後の入金となります。

入金をあてにして買い物に走るととんでもないことになりますよ。

時間があるからといって買い物や遊びにお金を使うのは禁物です。

入金を確認してから計画的に使いましょう。

以降は失業の認定・求職活動・振込が4週間ごとに繰り返されます。

アルバイトはできる?

そもそも無職なのですから、アルバイトやパートなどでお金を稼ぐことは禁止されていません。

しかしアルバイトで稼いでいる=収入がある=援助は必要ない
と判断され、一定以上の稼ぎがある場合は受取額が減らされてしまいます。

さらに、週20時間以上や31日以上の雇用が見込まれる際は、受け取る資格がなくなってしまいます。なぜなら、雇用保険に加入する条件を満たしてしまっているからです。

また、アルバイトをする場合は稼ぐ金額に関わらず申告が必須です。「数時間だけだし」と申告せずにいると、不正受給とみなされ手当がもらえなくなる恐れがあります。

年金や健康保険の支払いはどうなる?

失業中でも年金や健康保険の支払い義務はあります。

支払いが厳しいなら、家族の扶養に入るか、減免申請を行いましょう。
申請先は市区町村窓口です。間違えないよう注意してください。

失業中に資格試験を受験したAさんの場合

Aさんは業務内容が合わず退職しました。新しい就職先を探すためにもスキルアップしたいと考えていました。

時間のある今こそ資格試験にチャレンジするべきだと思ったAさんは、失業保険をもらいながら資格試験の勉強をはじめることに。

離職票はいつまで待っても届かなかったので、3週間を過ぎた頃に辞めた会社に電話して催促したらすぐに発行されました。

すぐ離職票をもって手続きを行い、説明会にも参加しました。勉強の息抜きに窓口で再就職の相談を受け、ますます資格取得に意気込みました。

退職から3ヶ月後、口座に振込があったことを確認しホッとしながら勉強を継続。

自宅学習は孤独との戦いでしたが、収入がないため遊びに行くこともできなかったので、Aさんはただひたすら勉強に没頭。
やがて最後の振込があった月に、Aさんは資格試験を受験し見事合格を果たしました!

取得した資格の威力ですぐにやりたい仕事ができる就職先も見つかりました。

一人暮らしのAさんが自宅にこもってずっと勉強できたのは、失業保険が支えてくれたおかげです。長期的に資格の勉強をしたい方は、失業中の時間をフル活用してくださいね。

まとめ

失業保険の受け取りには、面倒な手続きが必要です。

しかし一度手続きしてしまえばあとは4週間ごとに申告書を記入するだけ

失業保険を受け取ることはれっきとした権利ですから、ちゃんと手続きをしてきっちり受け取りましょう。

もし不明点があればハローワークで相談してくださいね。

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